▼ 第八回公判の巻(C氏) その参 〜判決〜
2 アルバイトに対し,選挙運動をしたことの報酬として金銭を供与することの共謀について
(1)関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。
@被告人は,平成14年8月31日(以下,「平成14年」を省略する。)に会社を退職し,再就職のため9月からハローワークに通っていたところ,かねて面識があったAが延嘉隆を擁立して選挙に臨む趣旨の新聞報道を見て,本件選挙でAの手伝いをすることによって人脈を広げ,再就職につなげようと考え,同月26日に延よしたか後援会事務所(告示後は「のぶよしたか選挙事務所」である。以下,単に「事務所」という。)を訪れたところ,Aから延の選挙運動の手伝いをしてくれと頼まれたため承諾し,ボランティアとして引き受けることとし,当日早速Aから3万円を受け取り備品の調達をするなどした。
AAは,同月28日,E及び被告人らを招集してミーティングを開き,有権者に延の知名度を上げるとともに,支援を要請する趣旨のダイレクトメールを送ること,電話による投票依頼をすること,各種イベントを催すことなどを主な選挙運動として取り組むことを話した。
また,その日,被告人は,AとEが人手不足を補うためにアルバイトを募集することを話し合い,その結果,アルバイトを時給800円で雇うことを決めたことを知った。
その後ころ,被告人は,Aから,事務所における現金の管理を依頼され,同人はその仕事のことを「小会計」と呼んだが,被告人は,それを現場の責任者として現金の管理や出納帳の記入等を担当することと理解し,これを承諾した。
そのとき,同人から,アルバイトの報酬はEが出勤時間を管理して計算するところにしたがって支払うこと,ポスターや郵便物等の料金は,Bの言うとおりに支払うとと,現金が必要になったらDに言って預金から引き出してもらうことなどを指示された。
B被告人は,10月9日にAとともに選挙管理委員会へ行ったところ,職員から,選挙運動の従事者で報酬を支払う者の人数に制限があること,車上運動員や事務所事務員は氏名や年齢等の届出をしなければならないことなどを聞き,事務所に戻り,Eに対してアルバイト達の名簿を作らせ,同月11日に再ぴ選挙管理委員会へ行き届出をしようとしたが,提出時間を指摘されたために焦ってしまった結果,アルバイト達の名前の届出をしないままにしてしまった。
C被告人は,同月15日の告示日以後,事務所ではボランティア,親戚の人やアルバイト達が一斉に投票依頼の電話をかけ始めたことがわかったが,アルバイト代を一旦精算するため,同月22日に,Eに対し,同月15日分までのアルバイト代を計算して出すように指示し,Eから出された計算書に基づいて被告人がアルバイト各人に直接アルバイト代を支払った。
また,同月16日以降のアルバイト代は,同月26日に,被告人とアルバイト数人が計算をしながら各人のアルバイト代を封筒に入れて支払いの準備をした。